Ghostaskが目指すところ
- Sho Tars

- 7月23日
- 読了時間: 4分
更新日:7月28日
パンドラが壺の蓋を開けてしまったことで、数々の災厄が人々の間に広がった。しかし希望は壺の中に残った。― ヘーシオドス『仕事と日々』90–105行(Loeb版)
Ghostaskが目指すもの
タスク管理アプリなんて、もう世の中に飽和している。それなのに、なぜ私たちは今さら新しいアプリをつくったのか?
Ghostask(ゴースタスク)は、タスクを整理するだけの道具ではありません。ToDoリストを美しく整えることや、期日を通知してくれること、それらはたしかに便利ですが、私たちの目的地はそこではありません。
私たちが見つめたのは、「人が何かを生み出すときに生まれる孤独と混乱」です。Ghostaskは、その正体のないストレスと向き合うために生まれました。
“何かを生み出す”という行為が抱えるしんどさ
起業、社内の新規事業、フリーランスの挑戦、学生のプロジェクト。どんな立場であれ、「ゼロから何かを生み出す」という行為には、常に混乱や苦痛が伴います。ましてや、それを価値あるものとして成立させ、仕事として成り立たせていく(食べていく)のは、簡単なことではありません。
結果が出るまでには、失敗を重ね、時間やお金、信頼までも賭けることになります。その挑戦が、関わる他者に影響を及ぼす(巻き込む)こともあり、まるで“災厄”のように感じる瞬間さえあります。
そんな現実の中で、「失敗を恐れるな」「リスクを取れ」といったメッセージは、よく語られます。ですが、私たちはそれとは少し違う方向に光を当てたいと考えています。
「成功体験」が、前に進む力になる
私たちが注目したいのは、「成功体験」です。といっても、メディアを賑わせるような大成功ではありません。自分が手がけたものが誰かに喜ばれた、小さな仕事が正当に評価された、そんなささやかな実感です。
人間は、他者との恒常的な交流が絶たれたならば、衰弱を──肉体的な崩壊さえも──きたしてしまうほどに社会的な存在である。しかるに、世界や他者から独立した自律的実在だという感覚を人間が抱くとすれば、そうした感覚の大部分は、世界や他者に予測可能な仕方で働きかけできるという実感によってもたらされるものである。──『ブルシット・ジョブ』より
たとえば「あなたの仕事は何ですか?」と聞かれて、自信を持って答えられるか。その仕事に、報酬以上の価値を感じられているか。そして、自分が関わる仕事が誰かの役に立っていると、実感できているか。
私たちは、そういった問いに対して前向きに答えられる人を、一人でも増やしたいと考えています。
勘違いをしてほしくないのが、「成功体験に目を向ける」ことが、「失敗を恐れない姿勢」と矛盾しないということです。むしろ、小さな成功の積み重ねが、失敗を乗り越えるエネルギーになる。Ghostaskは、そのエネルギーを生み出す仕組みを支援したいのです。
リーダーの視点から考える
ここまでの話は、主に「プレイヤー」、つまりタスクを担う個人の視点で語ってきました。ここでは少し視点を変え、「リーダー」の立場から考えてみたいと思います。
チームの中でリーダーに求められるのは、単にタスクを割り振ることではありません。メンバー一人ひとりが力を発揮し、成果を生み出すための支援が必要です。
その支援には、以下の3つの役割があると私たちは考えています。
・マネージング:業務や進行の全体を俯瞰し、最適に調整すること
・コーチング:メンバーの強みを引き出し、成長を促すこと
・メンタリング:精神的な支えとなり、安心して働ける環境を作ること
これらを通じて、メンバーにとっての「成功体験」が生まれやすい環境をつくることが、リーダーの本来の役割だと私たちは考えています。
Ghostaskが目指す未来
Ghostaskは、こうしたリーダーの役割を補助役として支援するツールです。チームにそっと取り憑いて、メンバーの可能性を引き出す “良いお化け” のような存在でありたいと考えています。
たとえば、Ghostaskでは以下のようなアプローチを実現します。
・単純作業の自動化と簡略化:タスク管理にかかる手間を減らし、仕事の達成による喜びを感じやすくする
・スキルやリソースの可視化:誰がどのような能力を持ち、何に貢献できるかをチーム内で共有できる
・モチベーションの変化を察知:メンバーのモチベーション低下に早期に気づき、必要に応じてサポートできる(ときには、休むことを推奨する判断もあるかもしれません。大切なのは、そうした「状態」や「感情」を、軽視せずに扱えるチーム文化をつくること。)
(※アップデートを重ねて、こういう風にしたい)
Ghostaskは、そうした文化の土台となる情報や関係性の可視化・支援を通じて、仕事によって人が透明になってしまうような状況をなくしていきたいと考えています。
たとえパンドラの箱のように災いが飛び出す場面であっても、そこに確かに希望が残っているということを、思い出させる存在に。Ghostaskは、そんなツールを目指して成長していきます。
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